2017年12月29日金曜日

冬至(二十四節気)雪下出麦(七十二候)12月31日~1月4日 「むらのお正月」にも初詣

 今年最後の七十二候は、「雪下出麦(ゆきわたりてむぎいずる)」、雪の下で麦が芽を出す頃です。「房総のむら」では、雪は降っていませんが、霜が降りて”真っ白な”畑で麦が育っています。麦は、霜で浮いてきますが”麦踏”で畑にしっかり根づき、大きく成長します。 
 ゆく年」 「房総のむら」から見た富士山です。右端の塔は「東京スカイツリー」です。枝が少し邪魔ですが、木々の間から富士山が見えます。夕日が沈むころ、富士山のシルエットが最も鮮明になります。今年1年、豊かな自然環境の中で四季折々の景観や、短時間でできる体験から本格的な伝統的な技の体験、そして季節の歳時記に合わせたイベントなど楽しんでいただけたのではなかと思います。「今年は、ありがとうございました 
 くる年」 「あけましておめでとうございます本年も房総のむらをよろしくお願いします」 朝日に光り輝く富士山です。神々しく感じます。「龍角寺古墳群」に眠る古代の人々も、この富士山を見ていたのでしょう。昔から「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」(世界文化遺産登録名)だったのだと感じます。「万国の博覧会にもち出せば一等賞を取らん不尽(富士)山」(正岡子規)
 今年も「房総のむら」は、2日・3日から開館です。神社やお寺に初詣をしたら、「むらのお正月」にも初詣してみませんか。各施設は「門松」などを飾り”正月風景を再現”し、「獅子舞」「鳥追い」「猿まわし」や「箏の演奏」なども聞くことができますので、昔ながらの「お正月」をお楽しみいただけると思います。正月らしい「房総のむら」の体験に加え、「上総の農家」では「白玉入りおしるこ」、「下総の農家」では「福茶ぶるまい」のサービスのほか「ふかしさつまいも」なども販売しております。また、先着500名様には、「干支」の”犬”が描かれた「ミニ絵馬」のプレゼントもあります。なお、開館時間は、この2日間は午前9時30分から午後4時30分です。
 「樹木の手入れ」などでもご指導いただいている「宮﨑 弘」さんが「ミニ門松」を作ってくれました。3本の竹は「天地人」を表し、節の部分で斜めに切られた「そぎ」は、”笑っている”ように見えるので”笑う門には 福来る”とも言われていると教えていただきました。総合受付「総屋」に飾ってあります。写真中央は、「上総の農家」の「正月のお飾り」です。
 「商家の町並み」「細工の店」の「犬の張り子」です。今年の「干支(えと)」は「戊戌(つちのえいぬ)」です。「干支」は、「甲乙丙丁戊、、、」の「十干」と、「子丑寅卯辰、、、」の「十二支」の組み合わせです。「十干」は、「甲乙が”木(き)”、丙丁が”火(ひ)”、戊己が”土(つち)”、庚申が”金(か)”、壬癸が”水(みず)”」を当て、それぞれを「〇〇の(兄)」と「〇〇の(弟)」に分けて読みます。「干支」は、そこに「十二支」の動物がつきますので、「戊戌」は、「つちのえいぬ(土の兄戌)」と読みます。難しい読み方ですね。「干支」と書いて「えと」と読むのも、ここからきているのですね。  
 もともと、「正月」は、「歳神様(としがみさま)」をお祀りして新たな年の豊作と生活の安泰を祈る行事でした。「歳神様」は「正月様」とも呼ばれ、その宿る場所として用意されたのが”松””や”竹”、さらに”榊”や”柳”などの常緑の木です。「商家の町並み」では、香取市「佐原の町」にみられた「門松」を再現しています。「門松」は、出入りの職人がいるような「大店(おおだな)」では”鳶(とび)”の親方が作りましたが、店の業種や規模、出身地などによっても違いがあったようです。 
 「商家の町並み」には、9種の「門松」が飾られています。「お茶の店」は、「よせ松」とも呼ばれる”マダケ”3本にたくさんの”男松(黒松⇔赤松=女松)”で”藁のはかま”に”梅飾り”が付けられた「門松」です(写真:左上)。「菓子の店」では、”マダケ”3本に”男松”と”梅枝”が添えられ、”松薪””で根元を囲んでいます(写真:右上)。「小間物の店」は、”笹葉の付いたマダケ”に”松”を添え根元を”薪”で巻いた「門松」です(写真:左下)。「呉服の店」では、杭に”男松”3本を”イボ結び”で縛ったものを3本並べます(写真:右下)。このほかに、「めしや」「畳の店」「木工所」では、柱に”男松”を2本、「そばや」「薬の店」「本・瓦版の店」では”笹葉の付いたマダケ”に”男松”を添え”輪飾り”を飾ります。「紙の店」では”笹葉の付いたマダケ”に”男松”を添え、根元は”藁のはかま”で巻き、「瀬戸物の店」「酒・燃料の店」では、”男松”を杭に縛っています。「細工の店」「鍛冶屋」は、柱に”松の小枝”が付けられています。「佐原の町」にはいろいろな形態の「門松」があったようですが、よく見られたのが”笹葉の付いたままの竹”を立てる「門松」のようです。
 写真左は、「武家屋敷」の「正月飾り」です。門には「門松」が、入口に”松””に”輪飾り”が、床の間にも”裏ジロ”と”松”が飾られた”お供え餅”と”お飾り”が下げられています。このほかにも「神棚」や「台所」、「井戸」にも”お飾り”が付けられています。写真右は、「茶室」の様子です。「床の間」の柱には、”結び柳”と口元に”紅白の椿”が生けられた”青竹の花入れ”が掛けられています。”柳”は途中で”輪”を作り、長いしなやかな枝が床にまで伸びています。「掛軸」も正月らしく”松”に因んだ軸で、「松無古今色(松に古今の色無し)」です。この句は、本来「松無古今色 竹有上下節」と対句になり、”平等即差別・差別即平等”の真理を表現した禅語だそうです。年の初めに、本格的な茶室で”初釜”を楽しんでみてはいかがですか。
 「上総の農家」の「正月飾り」は、市原市(旧上総国)栢橋地区の事例の展示です。「長屋門」には、左右に”笹葉の付いたマダケ”と”松”に”薪のはかま”を付け、中央には”体験でも作った”相撲のさがり”のような「正月飾り」を飾っています(写真:左上)。式台が付いた座敷の入口にも同じような飾りをつけます(写真:右上)。「神棚」には、「歳神様」(桟俵に幣束を刺したもの)を祀り、”塩鮭””鰹節””昆布””スルメ””麻””みかん””傘”などを下げます(写真:左下)。「床の間」には、「お飾り」とともに「鏡餅」が飾られています(写真:右下)。何とも、派手な”お正月のお飾り”です。 
 「下総の農家」では、佐倉市(旧下総国)井野の「山崎家」の正月の飾り付けを再現しています。「長屋門」に「門松」を飾り、屋敷内には「注連飾り」などを飾ります(写真:上)。「安房の農家」は、茅葺屋根の改修工事のため見学できませんので、入口の「門松」のみ展示しました(写真:左下)。「おまつりひろば」の「茶店」も、入口の柱に”松に輪飾り”です(写真:右下)。 
 その「茶店」の店先には、「手桶」に緑鮮やかな”松”や”千両””南天”などが入れられています。店の中の鉄瓶から上がる湯気が、季節を感じさせてくれます。寒い日には、「茶店」であったかい「甘酒」はいかがですか。 
 写真左は、千葉県指定文化財「旧平野家住宅」の「万両」、写真右は「大木戸」に植えられた「千両」です。花が少ない時期の赤い実なので、大変貴重だということで「千両」「万両」の価値があるというのが名前の由来だとか。 
 「上総の農家」の「ソシンロウバイ」(写真:左)と「コセリバオウレン」(写真:右)です。年末には、何とか咲き始めたといったところです。まだ”蕾”の「水仙」も、年明けには本格的に咲き出すと思います。花の少ない時期の貴重な花ですね。 
 「お正月の飾り」には欠かすことのできない松ですが、「房総のむら」には江戸時代から北総地域特産だった「松炭」生産のための「松林」が残っており、「松ぼっくり」もたくさん落ちています。しかし、なんとびっくり「旧学習院初等科正堂」横の「ダイオウマツ(ショウ)(大王松)」には、”巨大な松ぼっくり”ができます。写真手前の普通の松ぼっくりと比べてみれば、一目瞭然です。これでも本物の”松ぼっくり”なのかと、疑ってしまいます。 
 以前にも紹介した、「房総のむら」に隣接する成田市「坂田ヶ池」の「オシドリ」です。以前に紹介したときは”雄”が一羽でしたが、その後”雄雌”そろって飛来したようです。静かな水面を、二羽でそろって移動したり漂ったりしていました。まさに「オシドリ」夫婦といったところでしょうか。 
 最後は、やはり「房総のむら」から近い、印西市本埜の「白鳥の郷」です。すでに多くの白鳥が飛来しており、国内でも有数の”白鳥の飛来地”なのだそうです。午前9時頃、白鳥が”お出かけする時間”です。真っ白な大きな翼を広げ、水面を勢いよく走り、助走をつけて飛び立つ姿は迫力満点です。

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