2017年10月17日火曜日

寒露(二十四節気)蟋蟀在戸(七十二候)10月18日~22日 もくずがに料理

七十二候は「蟋蟀在戸」(きりぎりすとにあり)、「きりぎりす」が戸のあたりで鳴く頃だそうです。清少納言:枕草子「虫は鈴虫。ひぐらし。蝶。松虫。きりぎりす。、、」、小林一茶「すず風や 力いっぱい きりぎりす」、太宰治「きりぎりす」など文学作品にもしばしば登場し、「きりぎりす」は日本人に親しまれた秋の虫です。最近は、あまり見かけないかもしれませんが、「房総のむら」ならば「在戸」も見られるかもしれません。写真は、鮮やかな真っ赤な色に見とれてしまった「下総の農家」に干してあった「日光唐辛子」です。 
 こちらは、「下総の農家」「安房の農家」の畑の「綿」です。左が「茶綿」、右が白い「綿」です。「ボール」がはじけて、「綿」がきれいな状態のうちに摘みとります。この後、体験することもできますが、「種を抜いて」、「木綿糸を作り」、そして「草木を利用して糸に色を付け」、その糸を使って「機織りでストールやコースターなどを織り」上げます。 
 年に一度の実演・体験「もくずがに料理」です。「もくずがに」は、海で生まれて川を上る蟹です。甲羅は大きくて10センチ、脚をひらいた長さは20センチほどです。脚やハサミの肉もおいしいようですが、海のカニのように太い肉がつまっているわけではなく、よく食べられるのが甲羅の中の「かに味噌」です。房総の清流はきれいで、そこでとれた「もくずがに料理」は、昔から食された房総の「郷土料理」です。料理の指導者は、大多喜町の高梨喜一郎さんです。 
「もくずがに」の食べ方はいろいろあるようですが、体験では「かに飯」と「かに汁(かにごし)」を自分たちで作って食べていただきました。「日本の上海蟹」とも呼ばれるだけあって、海の蟹より濃厚な味です。また、甲羅に「かに味噌」と「味噌」を混ぜて詰めて焼いた「味噌焼き」は、お酒の「あて」やご飯にのせて食べたら最高です。「もくずがに料理」の体験は、繁殖期に海に下る前の、この季節だけの体験です。 

「竹の皮のぞうり」です。竹の皮(たけのこを包んでいる茶色の皮)を使って、ぞうりを作ります。体験では、「わらぞうり」と同じように、縄ない、鼻緒を作り、「ぞうり編み台」を使って、水に漬けてやわらかくした竹の皮を編み込む一連の作業を行います。特徴は、「竹の皮」ですから、なんといっても水に強いことです。そして、「わらぞうり」の硬い感じではない、柔らない感じの「ぞうり」です。最近は、フローリング床でのスリッパ用としての利用者も増えているそうです。 
「房総のむら」ではおなじみの、「商家の町並み」「本・瓦版の店」の「摺り」の体験です。「摺師」松崎啓三郎さんの指導で、「摺り」の体験です。二色目の摺りなので、一回目の墨絵と重なるように「見当」を合わせ、版木に乗せる顔料、糊、その量、そして、色を乗せるためにおさえる「馬楝(ばれん)」の使い方の指導を受けます。「見当」を合わせることが一番大事とのことです。 
「左官の技」の体験です。土が塗られはじめた壁を内側から見たところです。伝統的な土壁の芯になる「木舞(こまい)」がわかると思います。家の木組みの空いているスペースには、そのままでは土をのせることはできませんので、柱と柱、貫と貫の間に竹を細かく格子状に編んだ「木舞」が必要になるわけです。そこに土をつけることで、壁をつくっていきます。水と藁を含んだドロドロの土を塗り、乾くのを待って次の工程に進んでいきます。


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