2017年10月3日火曜日

秋分(二十四節気)水始涸(七十二候)10月3日~7日 十五夜・お月見の展示

二十四節気は秋分、七十二候は「水始涸(みずはじめてかる」です。田の水を落として、稲穂の刈り入れを始める頃とのことですが、房総のむらでも稲刈りが終わり、稲穂は「おだ掛け」して天日で乾燥させているところです。
 夏は終わり、秋です。「上総の農家」では、里芋、枝豆も大きくなりました。ほうき草(コキア)も赤くなり、白い秋そばと対照的です。
 柿も色づき、枝もたわわに実りました。一部は「熟柿(じゅくし)」ています。常連さんによると、今年は例年よりも柿の実が多いとのことです。
 10月4日は、旧暦の8月15日、「中秋の名月」です。しかし、今年は満月ではありません。満月は6日だそうです。これは、月が新月から満月にかかる周期が14日~16日と一定ではないためのようで、旧暦の15日が必ずしも満月ではないようです。
 房総のむらでは、農家と武家屋敷で十五夜・月見の展示を行っています。房総各地での、お供えの違いもご覧ください。
 「上総の農家」の十五夜の展示です。
 東金市山田地区の豊田家の十五夜風景の再現です。月見団子、ススキ、ハギ、オミナエシと秋の野草に、里芋、柿、栗、カボチャなどを主屋の縁側の台に供えます。
 「下総の農家」の十五夜の展示です。
 「房総のむら」の地元、印旛郡栄町安食地区の事例を再現しています。上新粉で作った団子15個と里芋5個を一升枡に飾り、里芋の味噌汁と餅につける砂糖醤油、それにお酒も供えられます。「秋の七草」を生けた竹の花瓶には、水は入っていません。それは、この地域が利根川に近く、洪水で苦しめられたことと関係があるようです。
 「安房の農家」の月見の展示です。
 旧安房郡富山町平久里下(現:南房総市平久里下)の若林家の月見風景を再現しています。月見団子、アンビン餅(餅の中にあんがはいる)、アンコ餅(餅のまわりにあんがつく)を作り、濡れ縁に文机を出し、月見団子、里芋、栗、柿を盛り、ススキ、ハギなど秋の七草を生けて供えます。

 「武家屋敷」の十五夜の展示です。
 「武家屋敷」では「久留里藩」の十五夜を再現します。十五夜のお供えは、縁側に台を出し、団子15個を三方にのせ、花瓶に挿したススキの穂にハギ、ワレモコウ、オミナエシのほか、栗、柿など季節のものを飾ります。里芋は、茎や葉が付いたままで供えます。

 今回紹介するのは、「下総の農家」の「機織りの体験」です。草木染めの糸を使って木綿のテーブルセンターなどを作ります。季節ごとに色や柄が変わります。こちらの方は常連さんで、「杼(ひ)」を経糸の間に通しては、「筬(おさ)」で押えるを繰り返しながら、リズムよくとれもきれいに織っています。初めての方でも、きれいに織れますので、体験、挑戦してみてはいかがですか。
 最後は、9月30日に「重要文化財 旧学習院初等科正堂」で行われた、コンサートの様子です。ソプラノ歌手工藤志州さんの美しい声で「美しい日本の歌、世界の名曲」の公演がありました。プログラムの中には、「旧学習院初等科正堂」でもロケが行われたNHKのスペシャル大河ドラマ「坂の上の雲」の久石譲作曲の「Stand Alone」もありました。西洋建築のデザインを取り入れながらも伝統的な我が国の木造建築の講堂は音響もよく、会場からは、「ブラバー」の声もが上がっていました。 
 コンサートには、地元栄町立竜角寺台小学校の皆さんも参加していただきました。校長先生の指揮に合わせ、日ごろの成果を聞かせていただきました。
 「旧学習院初等科正堂」では、8日(日)に古墳シンガー「まりこふん トーク&ライブ」、9日(祝日)には毎年開催している「千葉交響楽団の弦楽四重奏」の公演があります。「古墳の楽しみ方」を楽しく学び、「秋の日のヴァイオリン」を、歴史ある文化財建造物で体感してみませんか。
 是非おいでください、お待ちしております。

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